企業における取締役の役割や経営責任とは

企業で取締役に就任すると、周囲から称賛されますし、活躍に期待も寄せられます。本人もまんざらでないと自分自身に誇りを持ちます。しかし、同時に気を引き締めないととんでもないことになります。

その役職は株主総会で選ばれ、その会社の経営を委任されることになるので、受任者としての使命を果たす必要があるからです。まずは、善管注意義務と言われるものですが、善良なる管理者の注意をもって職務遂行に当たらなければなりません。必要な知識や能力で様々な問題に対処する行動義務と会社に対して忠実に業務を遂行する忠実義務があるというわけです。

その他に関係する責任に関しては、次のようなことがあります。
その役職には過失責任と無過失責任があり、故意または過失があったときに責任を負うだけにとどまらず、故意や過失がなくても責任を負わなければならないものがあります。

法令や定款に反した結果で会社が損害を被れば、損害を賠償する責任があります。所定の承認を得ないで競合取引または利益造反取引を行い、会社に損害を与えれば、これも損害を賠償する責任があります。

代表者が、利益配当の制限規定に違反して、配当できる利益がないのに違法に利益処分案を株主総会に提出して承認を受け、違法な利益配当を行うと、その額を会社に弁済する責任があります。 さらには、利益相反取取引や第三者に対する責任もあります。