固定資産管理の重要性と管理の方法
企業が所有する物品や権利を総称して「資産」と言い、「固定資産」と「流動資産」の2種類に大別できます。固定資産は、長期に渡り保管される資産です。建物や機械のような装置、土地、特許や著作権、商標などが該当します。一方で、流動資産は1年以内に現金に代わる予定がある資産です。商品や製品、原材料、有価証券などが該当します。
企業は、自社が所有するこれらの資産をすべて適切に管理する必要があります。2種類の資産のうち、流動資産は目に見えて現金化されるためか、しっかりと管理する企業は多いですが、固定資産に関しては、数が多いことから管理が疎かになりがちです。しかしながら、不必要なコストをかけないためには固定資産の管理も同様に重要です。
なぜ固定資産の管理が重要か
固定資産の管理は、怠ることで企業に不利益をもたらします。例えば、固定資産を所有していると毎年1月1日に固定資産税が発生します。余計な税金の支払いを避けるためには、1月1日時点で不必要な固定資産を処分し、手放しておかなければなりません。
減価滅却においても固定資産の管理は重要な役割を担います。減価滅却の費用は法律によって定められていて、法定耐用年数や償却率により算出されます。固定資産の管理がずさんな場合、減価滅却費が正しく計算されず、必要以上の費用を負担するリスクが生じます。反対に、決められた金額を償却せずトラブルになる可能性も考えられます。この他には、固定資産を重複して購入してしまう事態を避け、無駄な支出を防ぐことにも繋がります。このように、固定資産の管理を徹底することは、資金面の損害やトラブルを避けるために重要です。
固定資産を適切に管理する方法
固定資産の管理には、通常、固定資産台帳を利用します。資産の購入日と使用を開始した日、保管場所、購入価格、耐用年数などの項目を記入します。固定資産台帳は、年度ごとに所有する資産についてまとめて作成するケースと、1つの資産に対して1枚の台帳を作成するケースがあります。どちらの方法で固定資産台帳を作成するのも自由なので、管理をしやすい方法を選ぶと良いでしょう。
近年は、固定資産の管理に生じる負担をより軽減できる固定資産管理のシステムが作られています。手書きの台帳では内容に変更が生じたり、誤った情報を記入したりした時に正しい情報に書き換えることが難しいという難点があります。不可能ではないにしても、一見して正しい情報が分かりづらくなります。管理システムを利用すれば、情報の更新が容易で、内容を確認した時も正しい情報を把握しやすいです。更新にあたって生じる手間も、手書きの台帳に比べて少ない方法です。こだわりがないのであればシステムの利用を推奨します。